【無駄遣い】なぜ人は宝くじを買うのか

【無駄遣い】なぜ人は宝くじを買うのか

年末ジャンボ、サマージャンボ、ドリームジャンボ etc…

そういえばプロゴルファーにもジャンボ尾崎がいたなー

ジャンボと名前がつくとなんだかワクワクしてしまう私たち日本人。

何を隠そう、私も宝くじを購入したことのある夢見がちな日本人の一人。

今回は誰もが一度は億万長者の夢を描くことができる宝くじについて、「なぜ確率的に損とわかっているのに人々は買ってしまうのか」について説明します。

この記事が伝えたいことまとめはこちら

  • 宝くじで億万長者になることは無理ゲー
  • 宝くじ業界の収益構造がエグイ
  • 宝くじに仕組まれた購買心理
  • 宝くじはエンタメ消費として買うならOK

 

宝くじの当選確率

比較で宝くじがいかに無理ゲーか理解しよう

年末ジャンボ宝くじ1等の当選確率を知っていますか?

答えは2000万分の1

数字だけだと想像が難しいと思うので、他の確率と比較してみます。

自動車交通事故で死亡→1万分の1

飛行機が墜落する→20万分の1

雷に撃たれる→1000万分の1

なんと宝くじに当たるのは、雷に撃たれるより難しいし、宝くじに当たるより前に自動車事故や飛行機墜落事故で死ぬ確率のほうが遥かに高いのだ。

あなたの周りに宝くじに対して過剰に期待をしている家族や友人がいたら、思いやりの気持ちでこう言ってあげよう。

「宝くじに当たる前にあなたが死ぬ確率のほうが遥かに高いからとりあえず目を覚ませ」

他のギャンブルとも比較してみる

宝くじ以外にもギャンブルといわれるものはあります。

ではどのギャンブルがどの程度お金をもらえるのか。

還元率という指標で比較してみます。

※還元率とは
自分が賭けた金額に対していくら戻ってくるのかを確率で表した指標。
例えば1万円賭けて8000円が戻ってきたら還元率は80%となる。
ちなみにギャンブルは胴元が絶対に儲ける仕組みなので、還元率100%以上はありえません。

競馬 約75%
競輪 約75%
競艇 約75%
オートレース 約75%
パチンコ 約80%
toto 約50%
宝くじ 約46%

ギャンブルとしてパッと浮かぶ競馬やパチンコより宝くじが圧倒的に低い。
カイジ風に言うなら圧倒的勝利。

こうして他の確率やギャンブルと比較すると、いかに宝くじでの当選が夢物語なのかを理解してもらえるでしょう。

【ちなみに・・・】
ギャンブルというカテゴリには入っていませんが、多くの方が入っている「生命保険」や「医療保険」も、命や健康のリスクと引き換えにお金を払っているという意味ではギャンブルといえます。

生命保険の還元率はというと、大手生命保険会社の商品で35%~45%と推定されます。

宝くじ業界の構造

先ほどの還元率をみると、宝くじの還元率は異様に低い。

それはつまり、宝くじを販売する側である地方自治体が大きく儲けているということです。

では、宝くじで売り上げたお金はどのように振り分けられているのでしょうか。

 

※金額の単位は億
出典:宝くじ公式サイト

説明すると、

当選金:私たち購入者に対して還元されたお金
自治体収益:発売元である地方自治体の収益
広報費:宝くじ購入を促すための宣伝広告費
諸経費:宝くじの印刷費や手数料など

こうしてみると、宝くじで得た収益の約4割が地方自治体に収められていることがわかります。

地方自治体に収められたお金は、各自治体ごとに少子高齢化対策、防災対策、公園整備、建設改修などの公共事業に使われています。

なので、宝くじを買う人の中には、「社会貢献」として買われている方もいます。

天下り先を生む温床にも

実は、宝くじで得た収益のうち1割程度は総務省が傘下に公益法人をたくさん作り天下り先として使っているなんてことも言われています。

本当に社会貢献として自分のお金を使うのなら寄付を選びましょう。

宝くじを買う人の心理

ここまでは宝くじの収益構造を理解したうえで、その確率からいかに無理ゲーであるかを説明してきました。

とはいえ、こんなことはネットが普及した現代において調べれば誰だってわかるはずです。

ではそれでも人々が宝くじに魅了され、購入してしまうのはなぜなのか。

宝くじに巧妙に仕組まれた「認知バイアス」

買う人の理由はさまざまですが、そもそも宝くじの購入には「認知バイアス」という心理作用が影響しています。

実はこの認知バイアスは宝くじのみでなく、街やネットで売られている様々な商品の購入にも影響しています。

具体的にどのようなバイアスが作用しているのかご紹介します。

感情バイアス

「なんだか自分だけは当たりそうな気がする」というバイアス

人はたとえ自分にとってマイナスになるような証拠があったとしても、プラスの面に対して肯定的になってしまうのです。

例)受験やテスト
あまり勉強をせずに挑んだにもかかわらず、今日のめざましテレビの占いで1位になったからもしからしたら点数が良いのではないか

確証バイアス

「宝くじの高額当選者は保管場所に気を使っている」
「新宿西口にある売り場から当選者が出ている」

といった都合の良い情報ばかり集めて、否定的な情報を無視してしまうバイアス

人は自分の見たいもの、得たい情報だけ目について、見たくないものはどんどん自分から遠ざけてしまうのです。

例)だめんずと別れられない女性
浮気ばかりされるけど、最後は必ず「お前が一番だ。信じてくれ」と言って優しく抱きしめてくれる

喪失不安バイアス(サンクコスト効果)

「これまで宝くじを10年買い続け、ここでやめたら今までの10年が無駄になってしまう」といった、これまでの努力まで含めて考えてしまうバイアス

人はすでに費やしてしまった時間やお金にとらわれて、このままではいけないと理解していてもなかなかやめることができないものです。

例)スマホゲームのガチャ
はまっているスマホゲームのガチャが全く当たらない。すでに1万もつぎこんでいるけど、ここでやめたら今までの1万が無駄になってしまう

恐らく、当たらないのに宝くじを買い続けてしまう人は、この喪失不安バイアスが大きく作用しています。

遠慮なく言えば、依存症の人がこの宝くじビジネスを成り立たせてくれているのです。
(宝くじだけでなく、全てのギャンブルビジネスに言えることですが)

私が宝くじを買って気づいたメリット

「偉そうに宝くじを買うことが無駄みたいに書いているけど、結局お前も買ったことあるんでしょ」という声が聞こえてきそうです。

まさにその通り。

でも、買ったのはその1回だけで、金額は1枚の300円だけ。

私が買った理由は宝くじを「エンタメ」として楽しんでみたかったからです。

実際に購入をしてみて気づいたメリットは3つです。

1、たった300円で当選したときの妄想でワクワクが得られる
2、ギャンブルをかじってみることで、どんな心理になるのか体験できる
3、他の商品を売る際に、人が買ってしまう心理を勉強できる

300円で得られるメリットとしては、コスパ悪くないかなと思っています。

ただし、1回限りかつ1枚だけでいい。

良くないのは、マジで宝くじで人生なんとかしようとか考えてのめりこんでいくことですね。
破滅の始まり。

まとめ:宝くじには夢と同時に巧妙な心理テクニックが隠されている

今回の記事で伝えたかったことをもう一度おさらいします。

  • 宝くじで億万長者になることは無理ゲー
  • 宝くじ業界の収益構造がエグイ
  • 宝くじに仕組まれた購買心理
  • 宝くじはエンタメ消費として買うならOK

最後に、テレビにも出演するなどベストセラー作家として活躍されている勝間和代さんの宝くじに対する考え方がすごくわかりやすいので紹介します。

宝くじは、買った瞬間に「半分お金が蒸発する」債券なので、私は絶対に買いませんが、それでも買う人が後を絶たないから、国の商売として成り立っているわけです。私はあれは「隠れ税金」だと思っていて、ある意味、統計や数学に詳しくないか、詳しくても気にしない人からお金を搾取するしくみなので本当に良くないと思っている

勝間 和代│宝くじの夢の正体は「変動幅」

ぐうの音もでねえ!!

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