倒産する会社の特徴について、経験談を話そうと思う。

倒産する会社の特徴について、経験談を話そうと思う。

「倒産」

なんとも怖い響きです。

企業の倒産件数は2008年に起きたリーマンショック以降、年々下がってきている傾向です。


出典:東京商工リサーチ

とはいっても、実際に倒産する企業があるのも事実。

できれば「倒産」なんてものは経験したくないですよね。
(ブラック企業にお勤めの方は潰れて欲しいと思っているかも)

わたしは新卒で入社した企業が1年で倒産するという、なかなか起きない経験をしました。

とはいっても若かったということもあり、あまりショックはなかったのですが。

ですが、これから就活を迎える大学生や、転職を考えている若い人に向けて、わたしが実際に体験した、「倒産」のリアルを書いてみようと思います。

なぜ倒産する企業に入ってしまったのか

そもそもの話ですが、なぜわたしは1年で倒産するような企業に面接を受け、のこのこと入社してしまったのでしょうか。

結論としては、「会社も勢いがあって、自分も早く成長できそう」という、妄想が原因でした。

当時、わたしはすでに1社から内定を頂いていたのですが、かなり早い時期に内定が出たため、もう少し就活を続けて色んな会社の話も聞いてみようなどと余裕をかましていたわけです。

そんな中で、わたしが後に入社する企業の説明会に参加します。

おおよそ、会社のスペックとしてはこんな感じでした↓

  • 創業5年目のスタートアップベンチャー
  • 当時勢いのあったモバイル分野を得意としていた
  • 当然、社員の平均年齢も若く、確か20代後半とか
  • 創業以来、右肩上がりの売上高で成長中

まあ、いわゆるITベンチャーという感じで、社長や取締役もみんな若い。

もともとベンチャー志望だったこともあり、興味が湧いたのです。

そんなこんなでGD→一次面接→二次面接→役員面接と進んでいき、気づけば最終面接、つまり社長との面接のみになっていました。

この時点ではまだ内定を頂いた企業と迷っていたのですが、社長面接でかけられた一言で、わたしの運命は大きく変わったのです。

「君はうちの会社に合ってる。うちに来るべき」

まだ大学生で戦闘能力的にヤムチャ以下のわたしに、キラキラしたIT業界で働く企業のトップがそんなこと言うんです。

しかもその社長がハスキーボイスで色気のある良い声なんですよ。

それで舞い上がりました。所詮は凡人ですからわたし。

ということでその後に待ち受ける運命など知る由もなく、意気揚々と入社することになったのです。

倒産する会社の内部

実際に入社するわけですが、後から考えると意味深な動きとかやっぱりあるんですよね。

そこで、同じ轍を踏む人が出ないように、倒産する会社の特徴を経験談から挙げてみようと思います。

何の仕事しているのかわからない社員が多い

わたしが入社した時点で100名以上が在籍していました。

主力はモバイルのCRM(顧客管理ソフト)だったのですが、他にもいくつか事業部があり、とにかくガンガン事業立ち上げて人を入れているという感じでした。

正直こんなに人いて仕事あるのかと疑問に思ったほどです。

「営業が神」という社風

社長も営業畑の出身で、もろに営業マンの立場が上という会社でした。

営業マンが無理言ってとってきた案件を、カスタマーサポートが解約しないように必死に収めるということが横行しており、社内も古い体育会系の部室のような感じ。

社員同士がライバルであり、新卒で入ったわたしたちもみるみるうちに心が病んでいきました。

異常にインセンティブが高い

これも営業会社の特徴だと思います。

インセンティブが異常に高い。だから営業マンはお金欲しさに無理いって契約をとってきます。

最近話題のスルガ銀行も同じ構造ですね。

結局お金で動く社員は最終的に汚い手を使わざるをえなくなるのです。

「貧すれば鈍する」って言葉が浮かびます。

噂話が多い

「〇〇さんと〇〇さんができてるらしい」
「〇〇部長は〇〇さんのことめっちゃ嫌ってる」
「〇〇さんてまじ顔だけ採用」

こんな会話が休憩室やら営業中の車内やらで繰り広げられます。

飲み会だけは派手にやるわりには、裏でまあ悪口言っているという。

教育はなし。背中を見て育て

わたしたち新卒は最初こそ1週間の研修がありましたが、あとは実戦でした。

とにかく電話営業して、先輩のアポをとる。

たまーに営業同行して、見て盗め。

そんな感じの育成方針で、基本は放置でした。

人がバンバン辞めていく

そんな会社でしたので、人がバンバン辞めていくわけです。

入社した4月の時点では100名以上が在籍していましたが、わずか半年後には半分程度に。

つまり余剰人員を採り過ぎていたわけです。

危ない会社を見分けるポイントとは

細かい点をあげたらきりがないのですが、客観的にみるとまあブラックな企業ですよね。

でも全て入社してから気づきました。

わたしが浅はかだったことはいうまでもありませんが、反省も込めて入社前にチェックしておいたほうがいいポイントをまとめてみようと思います。

売上高に惑わされるな

「右肩上がりの成長」と聞くと、いかにも伸びている企業のような印象をうけます。

ですが、会社にとって本当に大事なのは「利益」です。

どれだけ売上をあげていても、その分使っていたら会社に残るお金はありません。

当たり前の話なんですが、説明会でそこまで見れる学生は以外に少ないのではないでしょうか。

美味しい話の裏側を意識するようにしてください。

職場の雰囲気

一番いいのは実際にその職場で働いてみること、つまりインターンですね。

でもそれができなかった場合は、とにかく実際の職場の雰囲気を感じ取りましょう。

社員同士の会話や、休憩所、トイレまで。

危ない会社はどこかが荒れていたりするものです。

ネットを駆使しろ

今の時代、たいていはネットで情報が出てきます。

ネットの情報が本当かは精査が必要ですが、必ずエゴサーチしましょう。

「〇歳で年収1000万越えも」系の求人は危ない

よくあるパターンですが、年収モデルをめちゃくちゃ押しているケース。

個人的な感覚ですが十中八九ゴリゴリ営業の会社です。

実際にそれだけ稼いでいる人もいるかもしれませんが、その下にはたくさんの屍がいることも忘れないように。

まとめ

「倒産」はできれば経験しないようがいいに決まっています。

そのために、自分が気になっている会社の情報は徹底的に調べましょう。

第二のわたしが生まれないことを祈って。

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