妻を愛し、妻に愛されたい男コアラッコです。
私の勤める会社は総勢3名のいわゆる「零細企業」です。
私以外はすでに世にいう定年間近というもので、平均年齢にすると48.6歳。
ちなみに私がいないと57.5歳。エグイ。
ということで若返りも含めて人材の獲得というのは頭のどこかに常にあるわけです。
とはいっても零細企業。
潤沢な採用費があるわけでもなく、できれば雇った人が長く活躍してくれることがベスト。
ですが今の日本は人材難が叫ばれいるわけです。
中小企業基盤整備機構が行ったアンケート(※)によると、中小企業の約74%が人手不足だと回答し、そのうち約20%は「人手不足がかなり深刻」だと回答しています。
※中小企業アンケート調査報告より
人材がより一層大事な零細企業にとっては切実な問題です。
そんな不安を抱きながら先日たまたま読んだ本「小さなチーム、大きな仕事」に、零細企業の人材獲得について参考になる項目があったので、今回はこの本を基に、零細企業の採用戦略について考えてみようと思います。
37シグナルズの紹介
この書籍の著者である「ジェイソン・フリード」は、世界が注目するソフトウェア開発会社「37シグナルズ」の創業者兼CEOです。
有名なところだと「Ruby on Rails」というWebアプリケーションフレームワークを開発したのが、この会社のスタッフです。
「Ruby on Rails」は今や世界中で使われているフレームワークで、SNSやマッチングサービス、オンラインゲームなど多くの場所で利用されています。
そんな37シグナルズは1999年に3人で創業しましたが、会社の発展に反して少人数で運営されている企業です。
2012年時点でも16人なんだとか。
この書籍では「会社の規模を大きくせずとも成長できる」との視点から、実際の体験ベースで手法論が書かれています。
まずは自分でやってみろ
まず自分自身でやってみるまで、誰かを雇ってはいけない。まず自分で、仕事の本質を理解しよう。
うまくいく仕事はどういうものか。どんな事業計画書を書くか、また面接でどんな質問をすべきかもわかるだろう。
新しく人を雇う場合、新規事業の立ち上げで人が必要になるケースがあります。
そんなとき、自分の体験がないとその事業において「どんなスキルが必要なのか」「何が本質なのか」を理解していないと、最適な人材を採用することは難しくなります。
まずは自分が体験し、その実感として必要な人材をあぶりだすことが重要なのです。
人手不足が原因なのかもう一度考えろ
喜びを得るために雇うのではない。苦しみを消すために雇うのだ。もし誰かを雇わなければどうなるか、と自問してみることだ。負担になっている時間外の仕事は本当に必要なのだろうか。…
やり方を変えることでその問題を解決できないだろうか。
「苦しみを消すために雇うのだ」という言葉は響きましたね。確かにそうだよなと。
人件費って本当にバカにならないほどお金がかかります。
実際に支払う給料の2倍のお金がかかるともいわれていますよね。
スタッフに「仕事量が多いので新しい人を雇ってほしい」と言われて、はいそうですかとすぐ雇っているとしたら、もう一度「生産性」について考えるべきです。
これは「働き方改革」にも繋がる重要な視点だと思います。
履歴書は必要ない
履歴書はジョークだと思っている。…
大層な職歴や肩書が並べられているが、それらを確かめる方法はない。
人を採用する際は、まず履歴書を見て・・・というのが一般的です。
ですが、この書籍では履歴書など見る必要がないと一刀両断。
その理由は単純で、書かれている内容について確かめるすべがないから。
経験の長さと学歴に意味はない
成長曲線は平らになる。驚くべきことに半年の経験と6年の経験の差は大差ない。…
学校の成績が悪くても優秀な人間はたくさんいる。
どうしても実績として目に見える「学歴」「経験年数」には、採用側としても強い魅力があります。
ですが、よく考えてみるとこれらは実際の仕事の「質」と直接関係がないことが多いです。
私の友人にも大学を出ずアルバイト生活だったものの、その後起業して成功した人物がいたりします。
ゼロからやり遂げたことがあるやつが強い
自分をマネジメントできる人は、自身の目標にもとづいて実行する人だ。彼らはあれやこれやと指示を必要とせず、毎日の細かなチェックも必要としない。
人数の少ない零細企業がどうやってパフォーマンスを高くするかと言えば、一人一人の生産性を上げることです。
そう考えると、誰かの指示を待って動くような指示待ちタイプはミスマッチといえます。
ではどうしたら自発性のある人材を見抜けるか。
この本ではゼロからプロジェクトを立ち上げてやり遂げた経験のある人を入れろと言っています。
住んでいる場所で決めるな
身近にいないからといって、理想の人材を雇わないのはバカげている。…
僕たちの本拠地はシカゴにあるが、チームの半分以上がシカゴ以外のあちこちに住んでいる。
メールに始まりチャットやテレビ電話、クラウドサービスなど、今や職場に来なければできない仕事はどんどん少なくなっています。
テクノロジーがここまで進化して便利になったのに、職場に通えないからといって候補の幅を狭めるのはもったいないということです。
特に地方では、働き口がなく持っている能力を発揮できないでいる若者も多くいることも事実です。
零細企業こそ、こういった新しい働き方を取り入れて柔軟に変化していく姿勢が大事だと感じます。
迷ったらテストしろ
必要なのは、今から何ができるかを評価することであって、過去に何をしていたかではないのだ。
私たちは未来が見えるわけではないので、どんなに面接で評価が高くても、実際に働いてもらうと理想とは違ったということもあるわけです。
でもできるならばそういった入社後のギャップを減らしたい。
だとすればやはりテストで少し働いてもらうのが一番です。
実際に航空機メーカーのセスナは、マネージャー候補に仕事の疑似体験プログラムを用意しているのだとか。
採用側にとっても採用される側にとっても、入社後に「やっぱり合わない」ということはマイナスでしかないですからね。
まとめ
零細企業がこれから生き残っていくには、何より一人一人のパフォーマンスが大切です。
とくにこれからどんどん人材が獲得しづらくなっていくことが予想されます。
きっちり自社にあった優秀な人材を獲得できるよう、今のうちに準備していくことが大事です。
今回ご紹介した「小さなチーム、大きな仕事」には、ほかにも小さい会社にとって大切な考え方が詰まっています。
同じく零細企業で働く経営者やマネジメント層の方は、ぜひ一度読んでみてください。